大切な家族が亡くなり、葬儀をしたあと悩むのが遺品の整理です。愛する家族が使っていたものを手放すのは辛いことですが、形見として親戚や友人知人に渡せる以外の日用品などは、そのまま保管することは難しいことがほとんど。家のスペースの問題もあることから、早めに処分を考えなければなりません。そこで遺品の整理をどうすればいいのか、詳しくご紹介します。

遺品整理をする必要性

遺品を整理し、処分することには以下のような理由があります。

気持ちの整理をつけるため

亡くなった家族のものがいつまでもあると、悲しみから抜け出すことができません。使っていたものを見るたびに思い出が蘇り、悲しみを繰り返すことになります。生きている人間がこれから前を向いて生活していくためにも、もういない人のことはきちんと整理をする必要があります。遺品整理をすることは、物の整理とともに気持ちも整理することなのです。

財産価値のあるものを分けるため

遺品整理をしていないと、後になって家族が知らない間に作っていた通帳や金銭価値のあるものが出てきてしまうことがあります。そのため、財産分与のトラブルにもつながりかねません。また不要だと思っていても、リサイクル業者に依頼してみると、価値のあるものだったということもあります。財産分与自体には期限がありませんが、相続税の申告などにも関わってきますので、早めに整理をすることが必要となります。

形見分けをするため

亡くなった方の思い出の品を分ける形見分けをする際、整理されていないと膨大な物をひっくりかえして探してもらわなければならなくなります。遠方の親戚の場合などは、形見をもらうためだけに家に来てもらうのも難しいことが多いため、早めに整理をして、親族が集まる場で形見分けをするのが一番です。スムーズに形見分けをするためにも、遺品の整理は早めにしておく必要があります。

遺品の種類

整理すべき遺品には、以下のものがあります。

家具・家電製品

タンスなどの場合は中に入っている衣類の整理も必要となります。また仏壇も引き継ぐ人を決めるか、処分することを考える必要があります。

日用品

洗剤、化粧品などその人が使っていたものが当てはまります。食べ物などがある場合は早めの処分が必要です。

衣類

洋服、着物などがあります。

貴金属類

証明書や鑑定書がある場合は、一緒に保存しておく必要があります。

現金・有価証券

個人で所有している場合、日常的に使っている場所とは別にしまってあることがあります。

本、コレクター品

骨董品など鑑定が必要となることがあります。

思い出の品

アルバムなどのほか、お土産などもらい物などがあります。

遺品の整理と処分で注意すること

遺品の中には、価値が判別できないものもあります。また貴金属や有価証券、現金などについては勝手に処分したりすることはできません。専門家のアドバイスを受けるなどして、トラブルにならないようにすることが必要です。また処分については、

  • 誰が処分をするか
  • いつ処分をするか
  • 残しておく物残しておく物、処分できない物はどう判断するか
  • 遺品整理にかかる費用はどれぐらいの予算で行うか
  • 遺品整理は依頼するのか、自分たちでするのか

といったことを、事前に親族間で取り決めをしておきましょう。勝手に整理を行うと後々トラブルになってしまいます。

不要となった遺品を処分する方法

遺品を処分する方法としては2つの方法があります。

自分たちで処分する

遺品を確認しながら処分ができる、お金がかからないといったメリットがありますが、悲しみが蘇ってきたり思い出を懐かしんでしまったりするためなかなか作業が進まなくなるといったデメリットもあります。特に遺品が多いと作業にも時間がかかり、人手が足りなくなることもあります。

専門業者に依頼する

専門業者に依頼すれば、お金はかかりますが迅速に作業をしてくれ、処分も引き受けてくれます。また殺虫や消毒などもしてもらえるので、賃貸の場合などは安心です。処分費用を考えても、専門業者に依頼するメリットは大きいのですが、信頼できる業者を選ぶことが必要です。